祖父母からの贈与にも!「こどもNISA」を活用した資産形成と相続・贈与税対策
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はじめに:次世代へつなぐ賢い資産形成#
子どもの未来を切り拓くための強固な経済的基盤は、世代を超えた家族共通の願いです。2027年1月からの導入が予定されている「こどもNISA(こども支援NISA)」は、この願いを具現化するための強力な制度として、今大きな注目を集めています。
本記事では、銀座の青総合税理士事務所の視点から、新設される「こどもNISA」の仕組みと、祖父母からお孫様への贈与における税務上のメリット・注意点を詳しく解説します。適切な対策を講じることで、大切なお金を無駄なく次世代へ引き継ぐことが可能です。
「こどもNISA」を活用した資産形成が注目される3つの理由#
従来のジュニアNISA(2023年末で終了)と比較して、使い勝手が大幅に向上した「こどもNISA」には、主に3つの魅力があります。
1. 0歳から始められる無期限の非課税運用#
「こどもNISA」の最大のメリットは、0歳から無期限で非課税運用ができる点にあります。
令和8年度(2026年度)税制改正大綱において、18歳未満の未成年者を対象とした年間60万円、非課税保有限度額600万円の「つみたて投資枠」の創設が盛り込まれました。これにより、生まれたばかりの新生児から本人名義の口座で資産運用を開始できるようになります。
運用益や配当金に対する約20%の税金が一切かからず、期間の制限なく恩恵を受け続けられるため、超長期的な視点で子どもの将来資金を構築できます。
2. 柔軟な引き出しが可能に(12歳以降)#
かつてのジュニアNISAは「原則18歳まで引き出し不可」という強い資金拘束がネックでした。しかし、新制度では12歳以降であれば、教育費や生活費のために資金を引き出せる仕組みが採用される見通しです。
中学校や高校の入学、学習塾の費用など、教育費の負担が急増するタイミングに合わせて柔軟に活用できるのが特徴です。また、災害時などの突発的な事態には、12歳未満でも引き出しが認められる特例も検討されており、実用性が極めて高い設計となっています。
3. 時間を味方につけた「複利効果」#
早期に投資を開始することで、利益がさらなる利益を生む**「複利効果」**を最大限に享受できます。
例えば、0歳から年間60万円を10年間積み立て、非課税限度額の600万円に達した後もそのまま運用を継続した場合、18歳や成人後のNISA口座へシームレスに引き継ぐことで、元本を大きく上回る資産成長が期待できます。投資において「時間」は最大のアドバンテージであり、0歳から運用を開始できることは、子どもにとって何物にも代えがたい贈り物となります。

祖父母からの贈与と「こどもNISA」を組み合わせるメリット#
「こどもNISA」は単なる積立制度ではなく、相続・贈与税対策としても非常に有効です。
暦年贈与の基礎控除を活用した「二重の非課税」#
祖父母からの資金援助を「こどもNISA」に充てることで、贈与税と運用益の双方を非課税にする戦略が可能です。
日本の税制では、年間110万円までの贈与が非課税となる**「暦年贈与の基礎控除」**があります。「こどもNISA」の年間投資枠は60万円のため、この範囲内で贈与を行えば贈与税はかかりません。さらに、その資金を運用して得た利益も非課税となるため、効率的な資産移転が実現します。
生前贈与による将来の相続税負担の軽減#
継続的な生前贈与は、祖父母の将来的な相続税対象資産を圧縮する効果があります。
特にお孫様が複数人いる場合、それぞれの孫に対して「こどもNISA」の枠内で数年間にわたり贈与を続ければ、数百万円から数千万円単位の財産を非課税で次世代へ移転できます。相続が発生してから慌てるのではなく、元気なうちから計画的に資産を移すことで、一族の資産を安全に守ることにつながります。
「こどもNISA」で対策を行う際の3つの注意点#
メリットの大きい制度ですが、税務調査で否認されないためには以下の点に注意が必要です。
① 贈与契約書の作成と記録の保存#
贈与を税務署に正しく認めてもらうためには、金額にかかわらず都度「贈与契約書」を作成することが不可欠です。
書面がない場合、税務調査において「名義預金(実質的には祖父母の資産)」とみなされるリスクがあります。毎年、祖父母(贈与者)と孫の親権者(受贈者の代理)の間で契約書を交わし、銀行振込によって資金移動の証拠を残すことが、身を守るための鉄則です。
② 年間110万円の基礎控除は「受贈者ベース」#
基礎控除の110万円は、「あげる人ごと」ではなく「もらう人1人あたり」の合計額で判定されます。
例えば、父方の祖父から60万円、母方の祖父からも60万円の贈与を同じ年に受けた場合、合計120万円となり、基礎控除を10万円オーバーします。この場合、お孫様(親権者)は贈与税の申告と納税が必要になります。親族間での情報共有を密に行い、合計額を管理しましょう。
③ 生前贈与加算のリスク#
相続開始前に行われた贈与は、相続税の計算上、相続財産に持ち戻される「生前贈与加算」のリスクを理解しておく必要があります。
現行のルールでは、亡くなる前一定期間(段階的に7年へ延長)の贈与が対象となります。原則として孫は法定相続人でない限り対象外ですが、養子縁組をしている場合や遺言で財産を遺贈する場合は注意が必要です。資産移転は、健康なうちからできるだけ早めに開始することをおすすめします。
青総合税理士事務所がサポートする安心の資産形成#
当事務所では、複雑化する税制の中で安全に資産を承継するため、以下のサポートを提供しています。
- 不備のない贈与契約書の作成指導
- 最新の税制に基づいた相続税シミュレーション
- ご家族の状況に合わせたオーダーメイドの贈与プラン
税務上のミスは将来的に多額の追徴課税を招く恐れがあります。当事務所の税理士が、名義預金の指摘を回避するためのスキーム構築から、正しい記録方法まで、リスクを最小限に抑えるプロセスをきめ細かくサポートいたします。
まとめ#
「こどもNISA」は、未来を担う子どもたちの資産形成を後押しするだけでなく、祖父母世代からの生前贈与や相続税対策としても極めて有効なツールです。しかし、その恩恵を最大限に引き出し、税務上の落とし穴を避けるためには、正確な知識と計画的な実行が求められます。
青総合税理士事務所では、皆様の大切な資産をご家族へ安全につなぐための専門的なサポートを提供しております。少しでも不安や疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽に当事務所の公式LINEからご相談ください。
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監修者

渡邉 優
青総合税理士事務所 代表税理士。個人事業主から法人まで幅広いクライアントの税務顧問を担当。税務相談・申告、会計業務、起業・設立支援、相続・事業承継を手がける。


